むすこのぽんたさんは大学時代の半分以上がコロナ禍でした。ちょうど大学生として弾けはじめた頃に新型コロナが流行して授業のほとんどがリモートとなり、就活もリモートで家に居ることが多かったので、息子が巣立ったときはとても寂しかったのを思い出します。
むすこが就職で巣立っていったときの話です。
むすこを電車で途中まで送っていくために、彼女が巣立ちの前日から我が家に泊まりに来ました。むすこの彼女は同じ大学の同級生の女の子で、頭もよくて感じのよいかわいい子です。
初めて我が家に遊びに来た時に「結婚したい」と心の声が駄々洩れてしまったり、将来はむすこを養うと宣言したり、ちょっと変わっているところが面白くもあり、むすこは彼女のことを「相当変だよ」と言いながらも溺愛している様子でした。
彼女は東京、むすこは北関東で社会人としてスタート。きっと中距離(?)恋愛になるので彼女もさみしい気持ちだったと思います。
出発当日、最寄りの駅へ送る車の中。ダンナが気を利かせてBGMに「虹の彼方に」を流しており、車窓からは桜が散る景色が見え、雰囲気MAX。涙もろいわたしは泣かないように頑張って耐え忍んでいましたが、そんなときに彼女が一言・・・
その一言で堰を切ったように涙が溢れてきて、むすこに呆れられました。
なんとか落ち着きを取り戻し、駅の近くの桜の木の下で記念撮影をして改札へ向かう途中で・・・
再び泣きました。
気を取り直して改札の前でむすこと彼女を見送るときにも、むすこの少し後ろで彼女がぽそっとつぶやいて
また泣きました。まったく悪気がなく素直な気持ちでかけてくれた彼女の言葉に勝手に追い込まれ、涙でまくりなわたしを見てむすこは半分呆れていました。
気丈にふるまう予定がすっかりボロボロになり、改札に消えてゆく二人を見送りました。
当然、帰って息子の部屋を見て泣きましたよ。
が、この時はむすめのぴーちゃんがまだ我が家から巣立っていなかったので救いがありました。むすめが巣立った時は更に辛かったなあ。
そして、むすこの彼女はむすめの結婚式でもわたしの心を揺さぶり追い込みました。